弁護士が解説!相続問題用語集

財産目録(ざいさんもくろく)

財産の一覧表のことです。裁判所に遺産分割の申立てをする際に必要になります。また、遺言執行者は、これを相続人に交付する義務があります。

祭祀財産(さいしざいさん)

お墓や仏壇などのことをいいます。相続とは異なるルールで承継されます。1.相続人の指定 2.慣習 3.家庭裁判所の決定 という順番で承継する人が決まります。

在船者の遺言(ざいせんしゃのいごん・ざいせんしゃのゆいごん)

船に乗っていて、公証人公正証書遺言等を頼めない場合に、船長又は事務員1人と証人2人の立会で作る遺言です。

再代襲相続(さいだいしゅうそうぞく)

相続人の子供も孫も死亡等してしまっている場合、ひ孫が相続することをいいます。ちなみに、兄弟が死亡し、その子(甥姪)も死亡しているときには、甥姪の子までは再代襲相続はしません。

死因贈与(しいんぞうよ)

一言でいうと、「死亡したらあげる」というものです。贈与という契約に、「”今”あげるのではなく、”死亡したら”あげるという条件を付ける」というものです。 遺言書とよく似ていますが、遺言書は契約でないので相手との合意が必要ありません。他方で、遺言はルールが厳密ですが、死因贈与には、あまり細かなルールーはありません。

死亡危急者の遺言(しぼうききゅうしゃのいごん・しぼうききゅうしゃのゆいごん)

死亡の危険がせまっていて、公証人に手続を頼んでいたら間に合わないような場合に利用される遺言です。証人3名が必要で、遺言の日から20日以内に家庭裁判所に確認を求める必要があります。

受遺者(じゅいしゃ)

遺贈をもらえる人のことです。

自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)

遺言の内容全文、日付、氏名をすべて自筆で書いて、押印し、完成させる遺言書のことです。自筆できる限りは、費用をかけずに、簡単に作成することができます。

生前贈与(せいぜんぞうよ)

単に「あげる」「贈与する」ということです。ただ、相続がらみだと、死因贈与(「死亡したらあげる」というもの)があるので、それと区別するために、あえて「生前贈与」といわれます。 遺言書の代替手段として検討対象になることが多いですが、税金がかかりすぎて断念することが多いです。 遺留分減殺をする場合には、一定の生前贈与も対象になります。 相続人への生前贈与特別受益として問題になることもあります。

成年後見人(せいねんこうけんにん)

痴呆などの病気で判断力がない場合、遺産分割協議ができません。そのような場合は、家庭裁判所で成年後見人を選任してもらいます。成年後見人は、本人にかわって遺産分割協議等の財産管理をします。

先買権(せんばいけん)

競売手続に優先して買うことができる権利です。相続手続では、限定承認先買権があり、自宅の確保するためなどに利用できます。

全部包括遺贈(ぜんぶほうかついぞう)

”財産全部を包括して遺贈する”という遺贈です。包括遺贈には、ほかに割合的包括遺贈があります。

船舶遭難者の遺言(せんぱくそうなんしゃのいごん・せんぱくそうなんしゃのゆいごん)

自分の乗っている船が遭難して、死亡の危険が迫っている場合に、証人2人の立会で作る遺言です。遅滞なく家庭裁判所に確認を求める必要があります。

相続財産(そうぞくざいさん)

被相続人の財産は、ほとんど相続財産になりますが、被相続人の一身専属権・祭祀財産・死亡退職金や生命保険金の一部 は相続財産にはなりません。相続財産になる財産は、相続のルールに従って承継されますが、これらのものは別のルールで承継されます。

相続財産管理人(そうぞくざいさんかんりにん)

通常、相続財産は、相続人や遺言執行者が管理します。相続人がいないか、いるかどうかわからないときは、家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらいます。なお、行方不明の場合は、不在者財産管理人の選任等を検討することになります。

相続人(そうぞくにん)

相続権がある人のことです。相続手続きでは、亡くなった人を被相続人、財産等を受け継ぐ立場の人を相続人と言います。相続が始まる前は、推定相続人と言ったりします。

相続放棄(そうぞくほうき)

相続しないための手続きです。通常は、相続財産より借金が多い場合に使われます。これに似たものに相続分の放棄というものがありますが、これは、登記の便宜等のために利用されるもので、相続放棄とは別物です。

相続欠格(そうぞくけっかく)

被相続人を殺害したり、遺言書を偽造したりした場合に、相続権がなくなることを言います。

相続権(そうぞくけん)

相続人として相続財産を受け取る権利のことを相続権と言ったりします。 相続廃除などにより、相続人の地位をなくすことを”相続権を奪う”と表現することもあります。相続権は、相続人の地位と表裏一体といえます。 「被相続人の生前に、兄弟がたかって、被相続人のお金を使い込んでしまった。将来の相続のときに、自分のもらえる財産が減ってしまうが何とかならないか?」との相談がありました。 このような場合でも、基本的には、どうすることもできません。相続権は、相続が発生してはじめて権利性がでてくるもので、それ以前は保護されないのが原則です。生きている間に、自分の財産をすべてギャンブルにつぎこもうが、それは持ち主の自由だからです。

相続廃除(そうぞくはいじょ)

被相続人に虐待侮辱などをした相続人遺留分を剥奪する制度です。通常は、遺言書に廃除する旨を記載し、相続開始後(被相続人の死後)、裁判所に廃除の請求をします。ただし、申立てをしたとしても、すんなり廃除が認められるとは限りません。裁判所は、廃除を認めるかどうか、その判断は、非常に厳格であるのが実情です。

贈与(ぞうよ)

”物を無償であげる”契約のことです。”無償であげる”という点で、遺言と似ているので、遺言にするか贈与にするか、悩む場面がでてきます。そこで、遺言贈与を比較してみたいと思います。
贈与には、生前贈与死因贈与があります。
まず、生前贈与遺言を比較すると、生前贈与遺言のように撤回できないぶん、財産を受け取るほうは、確実に受け取ることができます。しかし通常は、相続税より贈与税のほうが高いので、税金を計算してみて断念することが多いです。
次に、死因贈与遺言を比較します。死因贈与とは、”私が死亡したら財産をあげる”というものです。死因贈与のメリットは、遺言のようなさまざまなきまりや制約がないことです。(遺言書は、作成にあたって、全文自筆で書くこと、日付と名前と押印が必ず必要なこと、公証人に作成してもらうこと  など、形式面でいろいろな決まりがあります。)死因贈与にはこういった制限がありません。他方で、いざ相続、となったときに、死因贈与では、銀行手続きがスムーズにいかなかったり、財産をじゅうぶん相続できなかった相続人から不満が出たりする可能性があります。

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