遺言書はなぜ必要か

呼出状 裁判所 ある日突然裁判所から呼出状が 「ある日突然、裁判所からの呼出状が届いた。よくよく見てみると、裁判を起こした相手は実の兄弟だった!まさか自分が相続争いに巻き込まれることになるとは・・・。」

このような話は、決して珍しいことではありません。たとえ家族であっても、考え方は人それぞれ。財産に対しての考え方に相違があっても不思議ではないでしょう。相続内容について、家族の中での少しずつの考え方の相違が思わぬ相続争いに発展してしまうかもしれません。そんなとき、役に立つのが遺言書です。遺言書があれば、自分の死後、自分の財産を誰にどれだけ残すかを指定しておくことができます。残された人たちが相続争いに巻き込まれないためにも遺言書の作成をおすすめします。

  1. 遺言書に関するこんな”勘違い”していませんか?
  2. あなたは本当に大丈夫?相続争いの思わぬ火種
  3. 遺言書を残しておいたほうがよいケース

遺言書に関するこんな”勘違い”していませんか?

相続争いはお金持ちの家で起こることだから、自分には無関係!

そんなことはありません。

”相続争いは、財産が少ない家庭ほど起こる”ともいわれています。実際に、相続争いの起こっている案件の遺産総額をみてみると、1,000万円未満が多くなかでも200万円から300万円程度が最も多いともいわれています。

一度遺言書を作ってしまったら、二度と書き換えはできないんでしょう?

そんなことはありません。

一度作ってしまった遺言書に加筆修正することはできませんが、内容を変えたいと思ったら、何度でも作り直すことが出来るのです。いつ何が起こるか分からない。いざという時の備えのために、遺言書の作成をおすすめします。

相続内容については家族が理解してくれさえすればいい。遺言書はメモ書き程度ですませよう!

あまりおすすめできません。

自分の死後、万が一相続でトラブルが起こった場合遺言書はとても大きな役割を果たすこととなります。ですが遺言書は日常ではあまり使われない法律用語を使って作成するなど、法的なルールを守らないと無効になってしまいます。せっかく遺言書を作成しても、それが無効になってしまっては、遺言書を作成した意味がなくなってしまいます。専門家のアドバイスのもと、公的に認められる正式な遺言書の作成をおすすめします。

あなたは本当に大丈夫?相続争いの思わぬ火種

父親が長男家族と同居している家庭

兄弟仲良く遺産相続

父親は、長男家族と同居しています。同居している家は父親の名義です。長男は「父が亡くなったら、この家は自分たち家族がこのまま住み続けるのが一番だろう。あとは貯金と保険を適当に弟と分け合えばいいか。」と考えているようです。一方の次男は「遺産は全部キッチリ2分の1!父親の家も、見積もりを取って現在価値を確認して、現金に換算して等分するのが当然!」と思っています。

次男が父親の介護をした家庭

一番たくさん相続

父親は介護が必要な身。現在父親の介護は次男が担当しています。次男は「自分が介護をしているんだから一番たくさん遺産をもらえるはずだ!」と思っています。しかし長男、三男の考え方は違うようです。長男は「自分が長男だから一番たくさん遺産をもらうべきだ!」と考えています。三男は「兄弟の中で一番収入が少ないのは自分。それは家族全員が知っていること。金銭的に苦労している自分が、一番たくさん遺産をもらうべきだ!」と考えているようです。

父親が自営業を営む家庭

跡継ぎは自分だろう

父親は自営業を営んでいます。現在が次男が中心となって、家業を手伝っているようです。長男は「自分が長男だから跡継ぎになるんだろうな。」と考えています。しかし次男は「長男がどうとかは関係ない。今、家業を一番手伝っているのは僕なんだから跡継ぎは当然自分だろう!」と思っています。最後に三男。「なんだかんだいっても、親父が一番かわいがっているのは自分だ。親父は自分に一番跡継ぎになってほしいと思ってるはず!」と考えているようです。

遺言書を残しておいたほうがよいケース

遺言書は、相続のトラブルを防ぐのに大変おおきな役割を果たします。以下のようなケースに該当する場合は、遺言書の作成をおすすめします。

1.未成年の子供がいるご家庭

未成年者は遺産分割協議には参加できません。相続人が未成年者の場合、代理人が協議に参加することとなります。しかし、たとえば夫が亡くなって妻と未成年の子供が相続人となった場合は、未成年の子供の代理人を妻がつとめることができませんので(利益相反)、家庭裁判所に申し立てをして未成年の子供の代理人(「特別代理人」)を選任してもらう必要があります。このような煩雑な手続を避ける手段として、遺言書は有効です。

2.子供が外国にいるご家庭

相続人である子供が外国に住んでいる場合、その子供は、住民票も印鑑証明もありません。このような場合は、法務局や各銀行が要求する書類をそれぞれに準備する必要がありますが、国によっては、たとえば「日本でいう印鑑証明にあたるような書類がない。だったらそのかわりとしてどんな書類を準備すればいの?」などと、とても苦労する場合もあります。遺言書があれば、このような手間を避けることができます。

3.相続人に、認知症など判断能力のない方がいるご家庭

相続人の誰かが、いわゆる”ボケて”しまって判断能力がない場合、相続の手続をそのままするというわけにはいきません。遺言書がなければ、家庭裁判所に成年後見の申立てをし、その相続人として「成年後見人」をたてる必要があります。

4.相続人に行方不明の方がいるご家庭

相続人のなかで音信不通になってしまっている、または行方不明になってしまっている場合はどうするのでしょうか?このような場合も、遺言書がなければ、家庭裁判所に申立てをして、「不在者財産管理人」を選任してもらう必要があります。

5.子供たちの兄弟仲のよくないご家族

6.個人事業経営者の方

工場や店舗などの事業用資産は後継者に相続させないと、相続人が事業を継続することができなくなるおそれがあります。遺言書を書くことによって、後継者に事業用資産を相続させ、その他の相続人に現金等を相続させるなどの工夫ができます。

7.身体に障害を持つ子供がいる方

遺言書がなければ、子はすべて同じ相続分となります。遺言書を書くことによって、身体に障害を持つ子供により多く相続をさせることができます。

8.相続人ではない人に介護の世話になっている方

たとえば息子の妻に介護をしてもらっている場合でも息子の妻には相続の資格はありません。お世話になった人に相続させたい場合は遺言書を作成する必要があります。

9.先妻、後妻ともに子がいる方

先妻には相続の資格はありませんが、先妻の子供には相続の資格があります。後妻や後妻の子供との関係上、相続争いになるおそれがありますので、遺言書で相続内容を明確にしておいたほうがよいでしょう。

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