遺言書の書き方

ここでは、具体的にいくつか例を挙げ、自筆証書遺言の書き方を解説します。遺言書の基本のルールは、以下のようなものがあります。

  1. 全文自筆(手書き)で書きます。(※)
  2. (※)平成31年1月13日以後に作成する自筆証書遺言は、相続財産目録については手書きでなくてもよいことになりました(ただし、目録の各ページに署名・押印が必要。)。

  3. タイトルは「遺言書」とします。
  4. 氏名を自署します。
  5. 日付を記入します。
  6. 押印をします。
    法律的には認印でも問題ありませんが、のちのトラブルをなるべく回避するため、実印で押印することをおすすめします。
  7. 遺言執行者を指定します。
    のちのトラブルを回避するため、遺言執行者を指定しておくことをおすすめします。
  8. 封入・封印して保管します。

妻に全財産をわたす遺言書

遺 言 書

 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、妻 ○山△子(昭和10年○月×日生)に相続させる

 遺言執行者として、妻 ○山△子を指定する。

平成22年○月×日

住所 神奈川県横浜市旭区○○町1-2-3

遺言者  ○山 □夫 (印)

妻と子どもに財産をわたす遺言書

遺 言 書
遺言者 ○山□夫は、次の通り遺言する。
第1条 妻 ○山△子(昭和10年○月×日生)には、以下の不動産を相続させる。(ⅰ)
  1. 土地
    所  在 神奈川県横浜市旭区○○町1-2-3
    地  番 ○番○
    地  目 宅地
    地  積 ○平方メートル
  2. 建物
    所  在 神奈川県横浜市旭区○○町1-2-3
    家屋番号 ○番○
    種  類 宅地
    構  造 木造スレート葺2階建て
    床 面 積 1階 ○平方メートル 2階 ○平方メートル
第2条 長男 ○山■介(昭和40年○月×日生)には、以下の預金を相続させる。(ⅱ)
  1. ○○銀行××支店の遺言者名義の普通預金 口座番号 1234567
  2. △△銀行□□支店の遺言者名義の当座預金 口座番号 7654321
第3条 その他遺言者に属する一切の財産は、妻 ○山△子に相続させる。
第4条 遺言執行者として、妻 ○山△子を指定する。
平成22年○月×日

住所 神奈川県横浜市旭区○○町

遺言者  ○山 □夫 (印)

  1. 不動産については、所在だけでなく、地番、地目、家屋番号等も記載します。
  2. 貯金については、銀行名と支店名だけでなく、口座番号もきちんと記載します。

法定相続人でない人に財産をわたす遺言書

遺 言 書
遺言者 ○山□夫は、次の通り遺言する。
第1条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、内縁の妻 ×中○子(神奈川県横浜市青葉区○○町3-2-1・昭和30年○月×日生)に包括して遺贈する。(ⅰ)
第2条 遺言執行者として、内縁の妻 ×中○子を指定する。(ⅱ)
平成22年○月×日

住所 神奈川県横浜市旭区○○町

遺言者  ○山 □夫 (印)

  1. 内縁の妻に相続権はありませんので、「相続させる」ではなく「遺贈する」という言葉を使います。
  2. 内縁の妻など、法定相続人以外の人に財産をわたす場合、のちのトラブルを避けるためにも、このように遺言執行者を指定しておくことをおすすめします。